前回、幼児の絵に対する考え方について、大まかに分けると「のびのび派」と「描き方を教える派」があるように思うと書きました。
前回の記事です↓
今回は、3歳8ヶ月のときに子どもが描いた絵を紹介しながら、まだ手探りではありますが、子どもの絵に対してどのように向き合っているのかを書こうと思います。
最初、我が家は「のびのび派」に憧れていましたが、最近は「教える派」に近い姿勢で子どもの絵に向き合っています。
具体的には、「模写」と「絵の話を聞くこと」を行っています。
模写をする
今のところ、私の描いた絵などを子どもが模写をするときには、子どもの求めに応じてアドバイスしています。
観察していると、3歳という年齢でも「上手に描けるようになりたい」という強い意欲を感じます。その気持ちを無視して「自分で自由に描けばいいよ」と突き放すことが、私にはできませんでした。
そこで、子どもが興味を持ちそうな絵を私が描いて、子どもの目のつく場所にたまに置いています。あるいは、お手紙やぬりえ用として子どもに渡しています。
そして、自分の意思で模写を始めた子どもが「どう描けばいい?」と聞いてくるときには、「まずタイヤを描いて、次はね…」と描く順序を教えたり、「線路は途中で止めずに紙の端まで描くほうが、続いているように見えるよ」といった簡単なアドバイスを与えたりしています。
模写を始めたきっかけは、子どもがゴミ収集車を描けずに困っていたことでした。
あるとき、ゴミ収集車が描けずに困っている子どもに対して、ゴミ収集車のおもちゃや絵本、図鑑を出し、見ながら描くよう勧めました。しかし、それでも「描けない」という子どもに、私は代わりに自分が描いて、私が描いた絵を見ながら描くよう勧めました。すると、真似をしながら、子どもが納得するゴミ収集車が描けました。
次の絵が私の絵を見ながら描いた「ゴミ収集車」(3歳8ヶ月)です。

その頃、子どもはバスや普通の車は自分で描けました。普通の車とは違うと認識しているゴミ収集車のリアリティを追求したいのにもかかわらず、描く方法がわからなくて困っていたのだと思います。絵本や図鑑のゴミ収集車をそのまま真似をすることは子どもには難しく、子どもが真似をするのにちょうどいい加減の私の絵は、真似できたみたいです。
インプットを増やす
また、親が教えなくても、園で意識的・無意識に絵の型を覚えてくることがあります。
インプットが限られたものであると、アウトプットも幅の狭いものになるように思います。園だけでなく、家庭でも「こんな絵も描けるんだよ」といろいろなバリエーションを見せるのがいい影響を与えるのではないかと考えています。
その点、絵本はさまざまな絵を見せることができますが、うちの3歳の子どもには、絵本の絵を誰かが描いたものであるという視点が乏しいような感じがします。たとえば、3歳半ごろに絵本作家の鈴木まもるさんは鉄道を作っている人だと発言していたので、絵本作家だと説明しましたが、本人は鉄道を作っている人だと信じているようです。
そのため、園の先生や園児、親が描いた絵が、人が描いた絵として子どもに一番わかりやすいのかなと感じています。絵本の絵は、長期的に子どもに影響を与えていくのだと期待します。
模写のもとになる絵を描く際は、 私自身が一定の型にはまってしまわないように、同じ題材でさまざま表現ができるように心がけています。絵本などの絵を参考にしたり、背景も描くようにしたりしています。
絵の話を聞く
長くなりましたので、子どもの絵の話を聞くことについては、次の記事で書こうと思います。